世界最先端の研究施設 その名は「J−PARC(ジェイパーク)」! 


ひたちなか地区に隣接する,東海村日本原子力研究開発機構(JAEA)敷地内に,JAEAと高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共同で世界最先端の研究施設を建設しているのをご存知でしょうか?
その名も 大強度陽子加速器施設(J−PARC:ジェイパーク)


この,J−PARCとは,一体どんな施設なのでしょうか?
一言でいうと「今まで見えなかった世界を見るための研究施設」です!


「陽子」を光に近い速さまで加速して,標的となる金属の原子核に衝突させて,出てくる中性子や中間子と呼ばれる「粒子」を使い,とても小さな分子や原子まで見ようとするものです。


では,どういったものが見えるのでしょうか?
例えば,カブトムシの内臓。
中性子は,X線とは異なり水分子を観察するのに優れているので,水分を多く含む内臓などをはっきりと見ることができるのです。
他にも,「花が水分を根からどうやって吸い上げ生育するのか」などの研究にも力を発揮します。これにより,新産業の創出や農業への応用が期待されているのです。


(写真提供:JAEA/KEK J−PARCセンター)


J−PARCの研究ですごいのは,これだけではありません。


小柴昌俊先生のノーベル物理学賞受賞で有名になったニュートリノ
ニュートリノは宇宙に存在する素粒子の一つで,J−PARCでは,発生させたニュートリノ東海村から295km離れた神岡宇宙素粒子研究施設スーパーカミオカンデ岐阜県飛騨市)まで飛ばし(ニュートリノは地球も通り抜けてしまう不思議な粒子!),ニュートリノに質量があるかを測定します。
これにより,誕生直後の宇宙の姿を捉え,「宇宙はこのまま膨張を続けるのか,それとも収縮に転じるのか」といった疑問を解明しようとしています。  


まさにJ−PARCは,科学や物理学のナゾを解き明かす,夢と希望に満ちた施設なのです。
このような世界的な施設が,この地にできることは,とてもすばらしいことですよね。



平成20年末に,いよいよ稼動を迎えるJ−PARCについて,もっと詳しく知りたいという方は,J−PARCのホームページ(http://j-parc.jp/)をご覧ください。


また,平成20年1月26日(土)に,テクノ交流館リコッティ(東海村舟石川三丁目1番1号 電話029−306-1155)で開催予定のサイエンスカフェinリコッティ」でも詳しく知ることができます。


興味がある方はぜひ参加してみてくださいね。
    

東海村特派員[古]