大友運送
これまでもご紹介したとおり,「常陸那珂工業団地」内には様々な
企業が立地しています。
今回は,常陸那珂工業団地内に「ひたちなか営業所」を立地する
大友運送株式会社の,友野勇 代表取締役社長からお話を伺い
ました。
★「大友運送」というお名前から,運送業ということはわかりますが,
具体的な業務内容はどういったものになるのでしょうか?
−当社では自動車及び建機部品の「専用輸送システム」を構築
しており,ひたちなか営業所では,そのシステムにより建機の
部品を運んでいます。
建機メーカーには,製造ラインにあわせて「部品を一日何回か
に分けて届けて欲しい」という要望があり,それに応えるのが
我々の仕事です。
★お客様は“宅配便”のように,一般の方ではないのですね。
−ひたちなか営業所の現在の主要顧客は,建機のコマツさんと
日立建機さんです。
メーカーとしては,工場に部品を置いておくスペースが少なくて
すむので,この輸送システムがとても喜ばれています。
★そうすると,営業所の立地条件も限られますね。
−この業務を行うためには,工場の近くに立地して,速やかに対応
することが必要です。
建設機械の業界では,このシステムの導入が今後も進むと
考えており,日立建機の臨港工場など建機工場が増えている
「ひたちなか地区」は非常に有望な立地場所です。
★ひたちなか営業所には何台のトラックがあるのですか?
−現在は5台のトラックで営業しています。
4月以降には,地区内の建機工場が本格稼働するので,20台
くらいに増えてくると思います。
★従業員は何人くらいいらっしゃるのですか?
−現在は10人ですが,いずれ50人くらいは必要になると考えて
います。
★社長の考える「物流業界に必要なもの」とは何ですか?
−物流に限らないと思いますが,「先を読む力」ですね。
物流の場合,最初の半年くらいは荷物がなくてトラックをカラで
走らせることがあっても,ルートをつくらないと客は来ません。
自分で先にルートをつくり,客を呼び込まなくてはならないの
です。
その際,「将来的に,ここはいける」という先を読む力が必要
になります。
一方,ダメだと思ったら,早めに撤退することも必要な判断で
すね。
★ところで,トラックにもプリントされている会社のマークです
が,「ダチョウ」ですか?
−ダチョウは地球上の陸上で一番早く走る動物です。
物流にとって「安全」は,もはや常識,当たり前のこと。
だから「早さ」をアピールしたのです。
★社長ご自身は,ひたちなか地区にはどれくらいいらっしゃるの
ですか?
−営業所がオープンしてからは,2ヶ月に1度くらいの割合で
行っています。
★ひたちなか地区については,どのような印象をお持ちですか?
−とても良い場所だと思います。
当社は,元々海運屋だったため,海を見ると「将来ここは良くな
るのでは?」ということがわかります。
★海を見て,先を読むのですね。
−そうですね。
30年前に釜山に行ったときの状況と,今の常陸那珂港の状況が
似ていると感じています。
★常陸那珂港については,どのように評価されていますか?
−関東で,外洋に面しているのは,常陸那珂港だけです。
日本の輸出は今後も増えると考えており,京浜港の今の利用状況
を見ると,これから常陸那珂港を利用するメリットは大きいと
思います。
後は,どれだけ資金をつぎこんで整備を進めていけるかが,課題
でしょうか。
インフラ整備が進んでくれば,ひたちなか地区全体が今後大きく
発展することが期待できると思います。
お忙しい中友野社長にはいろいろなお話をしていただき,
ひたちなか地区について大きく評価していただきました。
これからの地区開発についてのヒントにもなるお話も多く,大変勉強
になりました。