αGEL(アルファゲル)の製造基地、タイカ常陸那珂工場


ひたちなか地区の産業ゾーン、常陸那珂工業団地には、
世界に誇る企業が立地していることをご存知でしょうか?
雑誌「DIME」で連載されている「ニッポン発の世界企業(第22回)」04/07号にも紹介された
(株)タイカさんがその会社です。
常陸那珂工場長の岡野暁洋さんを訪ねました。

玄関を入るとすぐに,ありました、ありました、あの写真。
皆さんもどこかで見たことがあるんじゃないかと思いますが、
そうです、生卵を18メートルの高さから落としても割れないという
脅威の衝撃吸収素材「αGEL(アルファゲル)」を開発したのがタイカさんなのです。

「工場長、そもそもαGELは何からできているのでしょう?」
「主原料はシリコーンですね。」
「シリコンですか?」
「シリコンというのは元素記号Siのケイ素。
 これは硬い石ですから、シリコンを素に作った人工化合物がシリコーンです。」
「へえ〜、シリコンとシリコーンは違うんですね。
 それじゃあ、よく“胸にシリコンを・・・”って言いますけど、
 正しくは“シリコーンを・・・”なんですねえ、ハハハ。」


冗談はさておき、本当に卵は割れないのか、やっぱりこの目で確めたいです。


ということで、実際にやっていただきました。

さすがに18メートルというわけにはいきませんが、
岡野工場長の手から落とされた生卵は、αGELの上でピタリと割れずに止まりました。
「すごい!」
にわかには信じられず、私自身、何度も顔の高さから地面まで落としてみましたが、
決して割れることはありません。驚きの衝撃吸収力です。


このαGELは、某有名メーカーのスポーツシューズに利用されているのをはじめ、
シャープペンのグリップ、コンプレッサーの振動防止など、
あらゆる身近な場面で大活躍しているんですよ。
意外なところでは、化粧用のファンデーションが割れないように、
コンパクトの四隅に貼られたりもしています。


岡野工場長によれば、αGELのすごさは、衝撃や振動の吸収力だけではないそうです。
放熱性にも優れていることから、パソコンや携帯電話などの内部に利用されたり、
今後、最も期待される分野として、薄型ディスプレイへの応用に力を入れているそうです。
なんでも、αGELを挟むことで明るい場所でも画面が見やすく、より鮮明になるのだとか。
いやあ、αGELの多機能性には驚くばかりです。



工場内は、騒音も油臭さも無い化学工場です。
昨年10月の竣工以来、今回初めて拝見させていただきましたが、
すっかり感心させられてしまいました。
イカさんは、αGELのほか、曲面印刷という分野でも高い技術が世界から認められています。
なんだか頼もしささえ感じてまいりました。
ひたちなか地区には、こんな高いテクノロジーを持った企業が立地しているんですねえ。


(株)タイカホームページ http://www.taica.co.jp/


[瀧][也]