常陸那珂港区に新しい船、新しい荷物


この8月、茨城港常陸那珂港では、中央ふ頭の水深9m岸壁が供用開始となり、
また、北海道定期RORO航路が増便となったことで、
いよいよ中央ふ頭の利用が始まりました。


RORO(ろーろー)を知らない方のために補足しますと、
oll n oll ff」の略で、
RORO船は、トレーラーなどの車両が自走で乗り降りできる貨物船
と言えばよろしいでしょうか。


さて、常陸那珂と苫小牧を結んでいる北海道定期RORO航路は、
この度、従来便に深夜便が加わって、日曜を除く1日2便となりました。


運航船社は、川崎近海汽船近海郵船物流の共同なのですが、
8月26日、近海郵船物流の深夜第1便入港に立ち会わせていただきました。
今回はその様子です。


貨物船が港に入るところを見るなんて初めてです。しかも夜。21時半ごろでした。


「そろそろ入ってきますよー」、との情報。
何だかワクワクします。


船は、闇の中からその姿を徐々に現わしました。
音も無く、巨大な船体がどんどんと近づいてきます。
正直なところ、ちょっと不気味・・・(すみません)。


気を取り直し、歓迎セレモニーへ。
式典は船内で行われたのですが、
おもしろかったのは、記念品として贈られた「だるま」の話。

この品は、ひたちなか市内在住の飯田さん作那珂湊だるま」で、
県の郷土工芸品・市の無形文化財(工芸技術)にも指定されているものです。


海上安全や商売繁盛を祈願するものですが、すでに両目とも目玉が入っています。
なんでも、「海上をよく見渡すことができますように」、とのこと。
また、飾る時にも、こんな注意事項があります。
だるまが息をできるように、「鼻に息を吹きかけてから」、なんだそうです。
おもしろいでしょ。


話を本題に戻しますと、
今回の増便は、東京―苫小牧からのシフトによるもの。


これは物流の効率化です。


例えば、北海道からの物資を関東各地へ運ぶ場合、
東京港に陸揚げするよりも、常陸那珂港区で陸揚げするほうが
地理的に、「時間もコストもかからない」、というわけです。
北関東自動車道東北自動車道と接続されたことも好材料と言えるでしょう。


ふ頭に目をやれば、北海道向けの積荷のひとつに、スバルの新車が並んでいます。
新しい荷物です。

これらは群馬県の工場で生産されたもので、今までは、東京港から出ていたもの。
常陸那珂港区の優位性が活かされた、1つの例ではないでしょうか。


こんなふうに、今後もどんどん荷物が集まってくれるといいですよね。


[瀧]